村内電気と私

かれこれ30年以上前、
中学、高校と長い間
母親に我儘を言っては、
車で八王子の村内電気まで
連れて行って貰った。


連れて行って貰った、と言うのは
自宅から村内電気までの距離が
長かったし、例え自力で行くとしても
電車とバスをうまく乗り継いで行く
体力も知力も足らず、
行ける気が全くしなかった。
色んな言い訳を頭で繰り広げ、
最後は親を説き伏せ(ろくでなし)
連れて行って貰うのが
当たり前になっていた。 


何故そこまでして行きたかったのか、
それはビートルズのビデオやら
ハードロックのCDのレンタル。


当時レンタルショップは
どこにでもあった。
それこそ私が住んでいる(た)
街にもあった。
が、村内電気は他の店の追随を
許さない、勢いのあるタイトルの
品揃えで子供の私を黙らせた。
中でも、
「コンプリート・ビートルズ」という
いわゆる伝記モノのビデオで
バンド誕生から分裂迄を学習できたのも、
お店がそのビデオを貸していたからこそ。


村内電気にはそれ以前にも
本当の子供時代、誕生日プレゼントに
デ○ズニーの白雪姫達がデザインされた
腕時計を買って貰った事がある。
色味はブラウンで、高級感が漂う。
脇にボタンが2つ付いていて、どちらかが時刻を合わせるボタン、もう一つを押すとライトが点灯して暗闇でも時間がわかる
優れものだったのに、大事にし過ぎて
何処へ隠したのか、いや、しまったのか
判らなくなってしまった。
泥棒に入られた?子供の腕時計盗むか??
もう過去の話。
申し訳なさ過ぎた。


そして最後に村内電気に
お世話になったのは、
iMacのライムグリーンを買う為に
行った日。
今でも忘れない、1999年の12月。
コンセントに繋げばインターネットが
できると思い込んでいたが、そんな
簡単では無かったが・・・。
その時も母親に車を出して貰って
お店に行った。
もうパラサイトまっしぐらだ。
(その時点で免許は持っていたが
運転が下手で何度も路上でしくじり
自信を無くし、ペーパーになっていた)


懐かしい。
あんなに遠かったのに
とても身近だった。
だからこそ今こうして色々思い出すと
楽しかった事と、切なかった事が
ゴチャゴチャしてそれも嬉しい。


母親に感謝、お店にも感謝。